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ごみは目の前からなくなったからといって、消えたわけではない
中央防波堤外側処分場のガス抜きパイプ(現在)
焼却されずに埋め立てられた生ごみなどの有機物からは、二酸化炭素の20倍以上の温室効果をもつメタンガスが発生し続けます。このため、中央防波堤外側処分場では、現在も火災を防止するためパイプでメタンガスを抜いています。また、埋立処分場に降った雨水は、埋め立てたごみの中を浸み込み、埋立地から浸み出します。この水には汚濁物質が含まれているため、生物処理、物理化学処理などを施し、下水道放流基準内の水質にしてから水処理施設へ送られています。これらの環境保全対策は、ごみの埋立てが終了した後も、周辺環境に影響を及ぼすことがなくなるまで続けられます。15号地(江東区若洲)では、昭和49年に埋立てが終了しましたが、現在も浸み出る水の処理を行っています。出たごみは目の前からなくなったからといって、消えたわけではないのです。
深川塵芥処理工場 左 小さい煙突 第一工場/右奥2本 第二工場/右手前2本 第三工場(写真:東京都清掃事業百年史)
ごみの焼却は、衛生上優れた処理方法です。しかし、ごみを焼却する過程では酸性ガスやダイオキシン類など環境汚染の原因となる物質も生成されます。実際、昭和4年にしゅん工した深川塵芥処理工場ではごみの分別不徹底と過剰焼却から、ばい煙による大気汚染が広がり、大きな問題を引き起こしました。現在の清掃工場では、ごみを焼却する過程において発生する排ガスや排水に含まれる有害物質を、いくつもの公害防止設備できれいにしてから工場外に排出しています。また、下水道法、ダイオキシン類対策特別措置法などの関係法令を遵守することに加え、さらに厳しい自己規制値を設けて、環境汚染防止対策を徹底しています。
[総評]
清掃工場は厳しい自己規制値を設けて環境汚染防止対策を徹底している